2021/06/09 19:12

もともと花の蜜は、糖度が40パーセント程度の薄いショ糖です。

これを外勤のみつばちが集め、内勤のみつばちが水分をし濃度を高め、熟成を経て単糖のブドウ糖と果糖に分解されます。
同時にカルシウムなどのミネラル類、ビタミン類、アミノ酸類、有機酸、酵素などの成分が加わります。

もうすこし詳しくその栄養を見ていくと、はちみつにはビタミンC、B1、B2、C6、ナイアシン、コリン、パントテン酸などが含まれています。

市販のビタミン剤の成分と比べると、内容がとても似ています。はちみつには健康維持に必要なビタミンの大部分が含まれ、しかも各ビタミンがバランス良く配合されているのです。

科学的に合成されたビタミン剤の栄養素は「不活性型」で、大量にとっても効果が薄いのに対し、はちみつに含まれるビタミンの92パーセントは少量でも効果的に働きがある「活性型」ということが、証明されています。

古代エジプトの『スミス・パピルス』という書物に、軟膏や湿布薬、飲み薬など、はちみつを使った療法が記録されています。また、手術後の縫合の際に、止血剤、殺菌剤としてはちみつが使われていたという記述も残っています。

現代でも国立病院機構 仙台医療センターでは、手術後の傷口にはちみつを塗る治療を行うことがあり、「ハニー処置」と呼ばれているそうです。

これは、高濃度の糖分が細菌内部の水分を減少させて雑菌の増殖を抑える働きがあること、また過酸化水素を含んでいるため、強い殺菌力を発揮することによるものなのです。

ハーブ専門店や自然食品店でマヌカハニーが大変な人気になっていますが、殺菌力という点では、国産蜂蜜にも備わっている自然のちからなのです。

(参考文献)清水美智子著 『薬いらずのはちみつ生活』青春文庫、2016年